受け継がれてきた美しさと人々の熱気
川越まつり(川越氷川祭)
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川越氷川祭は、川越氷川神社の祭礼で、一般的には「川越まつり」という名前で広く知られています。
360年以上にわたって続いてきた祭事は、10月中旬の2日間だけで80万人もの人出を集める大規模な祭りとなっており、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
また茨城県石岡市「常陸國總社宮大祭(石岡のおまつり)」や千葉県佐原市「佐原の大祭」とならび「関東三大祭り」の一つにも数えられています。
その歴史は古く、江戸時代初期、川越城下の大半が焼き尽くされた「川越大火」が起こると、その翌年に幕府老中であった松平信綱が川越藩主となって町の復興に尽力しました。
その中で慶安元年(1648年)、信綱が2基の神輿と獅子頭、太鼓を寄進し、川越総鎮守である氷川神社の神事として神輿渡御を行うようになります。これがのちに祭礼となり、お祭りの起源となるのです。
復興がひと段落し、経済的に繁栄した川越商人の町方文化が花開くと、祭りには踊り屋台が登場します。また江戸末期には商人町と職人町であった城下の十ヶ町に人形山車が登場するなど華やかな催事へと変貌しました。
小江戸と呼ばれた川越は、祭りも催事も江戸城下の影響を強く受けていたため、明治期に入ると、新政府によって解体されたり圧力をかけられた時期もあったそうです。
電柱による配電が進み、曳行ができなくなったことで一時期、山車から神輿中心の祭りへと落ち着いていましたが、戦後、町内会や駅周辺の新興町会が参加して徐々に山車が復活してきました。
そんな川越まつりですが。最大の見どころは、交差点や道路で山車同士が向き合った際の「お囃子」です。笛、鉦、太鼓の賑やかな音楽に合わせた踊りが繰り広げられ、山車が競い合う「曳っかわせ(ひっかわせ)」が沿道の人たちの注目を集めます。
曳き手の提灯が舞う中、囃子方への観衆の声援が飛び交う、お祭りムード最高潮の瞬間です。
通りに響くお囃子のリズムや引き手の美しい衣装。関東一円から集まった屋台の賑わい。歴史的な町並みと山車、受け継がれてきた人々の熱気が、素晴らしい祭りの夜を作り上げています。
川越が誇るこの一大イベントは2016年、ユネスコの無形文化遺産に「山・鉾・屋台行事」の1つとして登録されました。
■ 基本情報
名称:川越氷川祭(川越まつり)
開催地:川越氷川神社・周辺
住所:埼玉県川越市宮下町、他
開催日:毎年10月中旬(2日間)
時間:10:00~22:00(目安)
料金:観覧無料
最寄駅:JR川越駅 徒歩すぐ
駐車場:近隣の駐車場を利用(有料)
■ 備考
イベントでは、山車巡行も予定されています。
※詳しい情報はホームページでご確認ください。