石彫り獅子が守る王の墓
玉陵
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首里城から歩いて3分。首里城公園内に静かにたたずむのが玉陵です。
玉陵(たまどぅん)は琉球王国時代の第二尚氏(だいにしょうし)王家の陵墓、いわゆる「皇族のお墓」になります。第2次世界大戦の沖縄戦で大きな被害をうけましたが、1974年から3年以上の歳月をかけて修復がなされ、当時の姿を取り戻しています。
この陵墓で耳にする「第二尚氏」とは尚円王を始祖として、尚円王即位の1469年から1879年までの410年間、琉球王国を統治した王一族の通称です。
このお墓は1501年、琉球王国最盛期といわれる尚真王(しょうしんおう)が父、尚円王の遺骨を改葬するために築いたとされています。敷地はおよそ700坪。板葺きの屋根と首里城を模倣した巨大な石造りが特徴で、遺骨を納めた墓室が東西に3つ連なり、周囲を高い石垣で囲んでいます。
この様式を「破風墓」といい、沖縄でよく見かける家の形をしたお墓「屋形墓」の原型になったとも言われています。玉陵は現存する破風墓では沖縄県最大かつ最古のもので、その歴史的価値から世界遺産にも登録されています。
外観の上部、屋根には3体のシーサーが鎮座しています。沖縄では珍しい直立したシーサーです。これは高い場所で立ち上がり、遠く入口門まで見まわして陵墓を守る、という「守護神」の意味を持っています。
ちなみに。見学に合わせて、資料展示館で琉球王国の歴史について知識を深めておくことをおすすめします。
敷地内にある玉陵奉円館の地下には資料展示室があり、琉球王国の資料パネルや模型、文献などが展示されています。タイミングが合えば、玉陵に関するガイドを依頼することができ、予備知識を十分に得られます。
資料館を出て、1つ目の門をくぐると見える玉陵碑。碑には玉陵に関わる9人の名前が刻まれており、記された言葉から王室内の激しい権力闘争をうかがい知ることができます。また2つ目の門で後ろを振り返れば、1つ目の門との位置のズレに気づくでしょう。これにも魔除けの意味合いが込められているそうです。
玉陵は2000年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されました。また2018年には、建造物として正式に国宝の指定を受けており、沖縄県内で国宝建造物となりました。
■ 基本情報
名称:玉陵
住所:沖縄県那覇市首里金城町1-3
最寄駅:沖縄モノレール「儀保」徒歩16分
TEL:098-885-2861
営業時間:9:00~18:00
料金:下記参照
定休日:なし(原則)
駐車場:近隣の駐車場を利用
■ 入園料
一般:300円(高校生以上)
子供:150円(小・中学生)
幼児:無料
※詳しい情報はホームページでご確認ください。