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おもてなしに満ちた王家の別邸

識名園

沖縄県那覇市
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首里城から南に3km。高台に広がる美しい庭園が識名園です。識名園は1799年、尚温王の時代に、王族の保養と中国皇帝の使者をもてなす迎賓館として造られました。

赤瓦をのせた御殿は伝統的な建築洋式で建てられており、広い敷地とあわせて琉球王家最大の別邸とも言われています。内部にある客間や茶の間では1800年以降、幾度にもわたって、中国の冊封使を出迎えていたそうです。

実は王家の別邸としては、もともと首里の崎山地区に別の建物が造られていました。首里城の東に位置したため、これを「東苑」と呼び、その後につくられた識名園は城の南にあることから「南苑」とも呼ばれました。

中国風の東屋や石橋、石積みが印象的な識名園ですが、その造園様式は池のまわりを歩きながら景色の移り変わりを楽しむ「廻遊式庭園」です。

しかし識名園の場合、「心」の文字に似せた池を中心に、水辺に浮かぶ六角堂、大小のアーチ、池の周囲に広がる石灰岩など琉球独特の工夫が見られます。

また自然を多く取り入れた庭には様々な木々や果樹園もあり、来客が常夏の沖縄でも四季の移ろいを感じられるよう、おもてなしの配慮がなされていたそうです。

戦時中、名勝にも指定された識名園ですが、第二次世界大戦の沖縄戦では壊滅的な被害を受けます。現在の姿は1975年から約20年、8億円もの予算をかけて再建されたものです。

その後、2000年には首里城や玉稜(たまうどぅん)と合わせて「ユネスコ世界遺産」に登録されました。

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