山あいを流れる玉川の中流。全長10キロメートルにわたって続く渓谷が、抱返り渓谷です。

エメラルドグリーンの水面と深い森が印象的で、東北の耶馬溪という異名を持っています。秋田県を代表する景勝地でその散策路には数々の見どころが詰まっています。

「抱返り渓谷」という名称は、渓谷の狭い地形が由来となっています。

非常に急で狭い渓谷であったため、かつては人とすれ違う時に抱き合って振り返らなければいけませんでした。そのため「抱返りの渓谷」と呼ばれるようになったのです。

現在は遊歩道が整備されており、回顧りの滝（みかえりのたき）までの道すがら、切り立った断崖や吊橋からの絶景がハイカーを楽しませてくれます。

中でも特にお勧めのスポットが「神の岩橋（かみのいわはし）」です。

渓谷に架けられた吊り橋からは奇岩や急流など美しい眺望を見渡すことができます。また中程（なかほど）にある誓願寺にも絶景と謳われる橋があり、こちらも必見です。

この誓願寺。実は実際に寺は存在せず、川を漂う泡沫がお香の煙に見えたため、いつしかこう呼ばれるようになったそうです。

散策をさらに進めば、手で岩場を削って造られたトンネルなども見ることができ、足場の悪かった当時の様子を偲ぶことができます。

■ 基本情報
名称：抱返り渓谷
住所：秋田県仙北市田沢湖
最寄駅・IC：東北新幹線 神代駅（徒歩50分）
営業時間：なし（散策自由）
料金：無料
定休日：なし
駐車場：周辺の駐車場を利用

■ 遊歩道 情報
距離　　：約1.5km（片道）
所要時間：約30分（徒歩）
※詳しい情報はホームページでご確認ください。